創業お役立ち記事

起業に必要なこと│事業計画書をパワポ(ppt)で作成することのメリットとポイント

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事業を開始するにあたって、まずは計画を立てることが必須です。
頭の中にあるからいいとか、資料作成は苦手だからと言い訳してると損ですよ。創業期に改めて考えを整理しておくことは絶対にプラスになります。

事業計画書を作成するメリット

事業計画を作成するメリットは以下ようなものです。

・思考を深めることができる
・新しいアイデアを思いつく
・軌道修正をすることが容易になる
・社内外の関係者への説明が楽になる
・他の書類等を作成する際に転用できる

思考をアウトプットすることによって、より内容を深めることができますし、様々なことに活用できるようになります。

事業計画書に書く内容

事業計画書に書きたいことはある程度決まっています。
まずは以下のフレームワークに沿って考えていってよいでしょう。

事業ビジョン

・サマリー
・創業にいたった経緯
・創業メンバーの経歴
・ビジョン/ミッション
・ビジョン達成のマイルストーン

事業戦略

・事業ドメイン
・ビジネスモデルの説明
・自社の強み(独自性)
・競合との比較
・市場動向と市場規模
・外部との提携

実行計画

・顧客特性
・商品/サービスの見せ方
・ターゲティングとメッセージング方法
・マーケティングプランと体制(創業~3ヶ月)
・マーケティングプランと体制(3ヶ月~1年)
・マーケティングプランと体制(1年~3年)
・売上/利益シミュレーション

資金・利益計画

・損益/資金繰り概算(1年目/月次)
・損益/資金繰り概算(1~3年目/年次)
・事業リスク
・行動スケジュール

こうして書き出してみると、嫌になってくる量ですね(笑)。
それでも必要最低限という感じなので、業種・業態によっては適宜追加して頂く必要があります。

なぜパワーポイントでの作成をオススメするのか

資料作成のポイントを解説する前に、「ワードじゃダメなの?」という質問にお答えしておきます。

最近、大手企業を中心にパワポ禁止令なるものが出されたりしていることを受けて、
「パワポで資料をつくるなんてナンセンス」みたいな風潮があります。
(パワポ好きにとってはちょっと悲しいです……。)

これは、決してパワーポイントがダメなツールであるということではありません。
「パワポ禁止」の意図は「社内会議で使うような資料をわざわざ時間かけて作るな」という意味であって、「要は時間をかけるな」ということです。

で、パワーポイントを使用して資料を作る際に陥りがちなのが、デザインに凝って画像を探し出したり、配色を色々試してみたりという罠なんですね。

なので、パワポを使う際も「ビジュアル表現は必要最低限にする」ということだけ気をつけておいてください。あなたがグラフィックデザイナーでない限り、むしろそのほうが美しくまとまるはずです。

パワーポイントで事業計画書を作成する一番のメリットは、作りながら思考を深められるということです。

考えたことのプロセスを並び替えたり、左右で対比したりと、レイアウトの自由度が高いので、「わかりやすい説明を考えている内に、それが自然と論理的な内容になる」という効果が得られます。どうしても文章だけで、ぱっと見てわかりやすくすることには限界があります。

また、後述しますが、パワーポイントのスライドは基本的に1ページ毎に内容を分けて作成していきます。ですので、「このページは何を伝える必要があるんだっけ」という目的意識が働きますので「課題に対する解決策を考える」という意識付けができます。

グラフや表を入れるとなった時の操作のしやすさももちろん優れていますので、特段のこだわりが無い限り、「A4サイズ・横」の設定でパワーポイントを使用することをオススメします。

間違っても、「イメージ画像を全面に貼り付けて、文章が一行」みたいなページを作らないように。これはセミナーなどでプレゼンする際の投影資料の作り方です。

ちゃんと読んで分かる内容にすることを心がけましょう。

事業計画書を作成していく際のポイント

思いついたことは書いておく

誰かに見せるという意識だと、体裁上書けないことも出てくると思います。

事業計画書は他人に見せるという意識で書くとまとまりが出て確かによいのですが、一方で、自分の考えを整理し深めるという目的もあります。なので思いつきはできるだけ残しておいた方がベターです。

具体的には、自分用のメモ欄みたいなものを作ってそこに思いついたことや検討事項はメモしておくといいかと思います。

他人に見せる時はそこを消したバージョンをコピーするなりすればよいでしょう。

1ページ1テーマを守りとおす

パワポ資料作成時の基本中の基本です。1枚のページの中に必要以上に内容を詰め込みすぎないこと。

「このページどうやってもスカスカだな」と思っても次のページの内容を持ってきたりしないようにしましょう。余白があっても気にしないように。

反対に、どうしても盛り込みたい内容がたくさんある場合はやむなしでOKです。その際もバラバラの内容でページ間を行ったり来たりしなくて済むように、テーマを分けてページを分割すると収まりがよくなります。

多少デザインを気にしてみる

文字ばかりで構成するのであれば、結局ワードでつくるのと一緒です。
もちろん文字だけで構わないので、フォントの大きさを変えて見出しを付けてみたり、要素をグルーピングしてみたりと、「手書きで分かりやすく書くならどうするかな?」という意識で、内容の重み付けを検討しながら作成してみてください。

情報に優先順位をつけるということは、つまり経営上大事なことを判断するということに他なりません。

でも、自分のスキルを超えたデザインにこだわらない

先程も述べたように、デザインに凝りだすと、パワポ禁止みたいな話になります。
見た目に美しい経営計画書よりも、よく考えられた内容の経営計画書の方が絶対に格好いいです。

見た目はどこかで線引をしてあきらめましょう。

ただし、分かりやすくするために図表やグラフを使ったり、視覚的に要素をまとめたりすることは良いことです。本当に必要なものであれば頑張ってみてください。

事業計画書は作ってからがスタート

事業計画書を作成して終わり、だともったいないです。
最低でも毎月見直して、計画と実行にズレがないか、当初考えていたことと方針にズレがないかなど、確認をするようにしてください。

ズレがあったのであれば、それが良い方向に向かっているのか、ただ単に上手く進めていないだけなのかを判断し、事業計画書もそれにあわせて修正していくと良いでしょう。

また、創業期においては、いろんな書類作成や営業ツールの作成を行うことになります。
そんな時に、「ああ、この内容は事業計画書に書いた内容が使えるな」と思うことが必ずあります。事業計画書をしっかり作り込んでおくと、後々「ラッキー」と思える場面に出会うことが多くなりますよ。

ぜひ一度検討してみてください。

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