創業時にとりあえずこれくらいは必要だというマーケティング及び営業ツールについてまとめています。必要になりそうなものから、取り掛かってみてください。
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ロゴをつくる
ホームページや会社案内などあらゆる販促ツールを作る際に必要になるのが企業ロゴ。
ロゴは企業の理念やサービスの特徴などを反映させたものです。ですので、ロゴの作成にあたっては、「あなたの企業やサービスのどういったことをターゲットに伝えたいか」を考えて頂きたいと思います。
有名企業のロゴであれば、ロゴに込められた意味であったり、感動的なストーリーを説明する機会もあるかと思いますが、創業期の企業において、そういった「裏側に隠された意図」みたいなものはあまり重要ではありません。
むしろ、ぱっと見てサービスの特徴がわかるとか、イメージが直接的に伝わるといった実務的な要素を中心に組み立てていくことをおすすめします。単に格好良さとか好き嫌いで決めるのではなく、ロゴで何を伝えるのかという戦略性を踏まえて、デザインを発注できる先に依頼するのが良いですね。
なお、ロゴは様々な媒体で使用するため、大きさの変更やモノクロにしても問題ないデータで制作する必要があります。ですので、基本的にはIllustratorなどのデザイン系のソフトでつくることになります。他のソフト(パワーポイントなど)で自作することも可能ですが、データの取り回しのしやすさなどを考えると、やはり専門のソフトでの制作に軍配があがります。
名刺をつくる
名刺もこだわりだすと色々できることは多いのですが、創業期においてはそこまで作り込まなくてもよいかと思います。あえて名刺の限られた紙幅の中でアピールしなくても、会社案内や提案資料、HPなどでじっくり説明した方が良いでしょう。
ただ、ビジネス上、名刺がないというのも難しいので、最低限必要な要素を盛り込んで作成しておけばよいかと思います。
名刺に最低限必要な内容
・会社名
・役職
・氏名(ふりがなorローマ字表記も)
・住所
・電話番号
・メールアドレス
・HPのアドレス
・簡単な事業内容の説明
だいたいこのあたりが最低限必要な内容となります。
余白があれば、顔写真や詳細なサービス内容、SNSのURLやQRコードなどを記載しても良いでしょう。
制作にあたっては、ロゴ制作などとあわせて名刺も依頼してしまうのがスムーズかと思います。
なお、これは制作物全般においていえることですが、電話番号や住所などの変更・追加などの場合にどこまで対応してくれるのか、費用はかかるのかなど、後々面倒なことにならないように確認しておくとよいですね。
ちなみに、印刷費用自体は、プリントパックやラクスルなどのネット印刷で注文すれば100枚500円から印刷してもらえます。安いですね!
パワーポイントで営業資料をつくる
さて、ここが一番の力の入れどころかもしれません。
お客様にあなたのサービスを知ってもらうための最も重要な営業ツールです。基本的には「初回アポの時にサービス内容を説明するための資料」だと考えて作成するとよいでしょう。当社でも制作を承っていますが、まずはご自身でチャレンジしてみてもよいかと思います。修正も容易ですし、営業時のストーリーもあわせて考えられますからね。
パワーポイントでA4・横書きでつくるのが一般的です。
なお、言葉の使い分けが難しいですが、「営業資料」と「提案資料」は分けて考えた方がベターです。
営業資料は、「初回アポの時にサービス内容を説明するための資料」。
提案資料は、「2次提案などで、相手ごとに提案内容を作り込んだ資料」。
と考えておいてください。
なので、営業資料の内容は基本的に固定。提案資料は必要に応じて作成することになります。
営業資料に盛り込む内容
営業時の資料に盛り込みたい内容は以下の流れを参考にしてください。必要に応じてアレンジしてみてください。
・表紙
・会社概要や理念
あなたの会社がどういった会社なのかを簡潔に説明します。長くならないように注意!
・サービスの概要
何ができるのか、相手にどんなメリットを提供できるのか、簡単にまとめます。
・具体的なサービスの内容や構造
サービス内容を掘り下げて、わかりやすく伝えます。
・自社の強み
サービス内容と組み合わせて訴求してもOKです。なぜ自社でやるといいのか、その根拠を伝えます。
・サービス提供の流れ
依頼をもらった後のフローの説明です。スケジュールやお客様に対応してもらう必要のあることなどをまとめます。
・価格
商材によっては、概算だけ口頭で伝えておき、2次提案時に見積を出す流れでもOKです。
その他、事例や市場分析、他社比較などのページを盛り込んでいっても良いでしょう。
なお、基本的に営業資料は「1ページ1テーマ」が原則です。
会社紹介はそれで1ページ、サービス概要はそれで1ページというふうに、1ページ内にごちゃごちゃと別の話を盛り込まないことがポイントです。ホワイトスペースといいますが、余白が大きくあった方がむしろデザイン的にも上手くいくことが多いですよ。
また、ページ数は別に多くなっても問題ありません。営業時に「思ったよりこのページ使わないな…」と感じたら修正していけばOKです。PDCAサイクルを回して、ブラッシュアップしていくことが大切です。
webサイト(ホームページ)をつくる
企業の顔と言われるHPですが、HPはその役割(目的)によって戦略が変わってきます。
ブランディングツールとしての位置づけであれば、デザインに凝った内容に。
集客を意識するならページ数を増やしてSEOを意識した運用を。
販売メインなら、ショッピングカートのシステムを構築して。
などなど……。
もちろん商材によっては、とりあえずあればいい、というケースもあるでしょう。
まずは、HPに何を期待したいかを整理した上で、どんなコンテンツを構成していくかを考えていくのがよいと思います。
Web以外のチャネルから集客できる営業力があれば、当面はWebの力は借りなくても問題ないかもしれません。ですが、将来的に事業を拡大していくのであれば、Webサイトからの集客導線も計画しておいた方がベターです。
一昔前までは、お金を払って外部リンクを購入することによるSEO施策が主流でしたが、現在は、Webサイトは「育てる」ことが重要です。コンテンツを丁寧に追加していき、細かいキーワードを拾って濃いアクセスを集めることが、集客に結びつきます。ホームページが育つには時間がかかりますから、なるべく早い段階から将来を見据えたWeb戦略をとっていくことが、安定した経営につながっていきます。
Webサイトも営業資料と同じです。作って終わりではなく、運用してみて、反応を見ながら追加や修正をおこなっていくことが大切。運用面まで含めてサポートできる制作会社を選ぶのがよいでしょう。
窓付き長形3号・角2封筒をつくる
これは絶対に必要というわけではありませんが、社名と住所を印刷した封筒があると便利です。
請求書の発送などは、窓付きの長形3号封筒があれば、宛名を書く必要すらありません。これもネット印刷で発注すればそこまで高くありませんので、名刺と一緒に作っておけば後が楽ですよ。
角2封筒はA4用紙がちょうど入るサイズなので、契約書や折り曲げられない資料の発送時に使用します。
封筒に関しては、長形3号と角形2号があれば事足りると思います!
会社案内をつくる
こちらも必ずしも創業時点で必須ということもありませんが、創業から半年以内くらいには制作しておきたいツールですね。異業種交流会や展示会などで、会社案内を置いておけるスペースなどが用意されていることもありますし、ブランディングという意味においても、営業資料と会社案内をセットで渡せるとベストですね。
中身については、営業資料を作成していれば、それをベースに構成していきます。
営業資料と違って簡単に修正を加えることが難しいので、会社案内についてはある程度営業活動やテストマーケティングをおこなって、メッセージやサービスが洗練されてきた段階での制作としても良いと思います。
営業資料の内容をより概念化して詰め込むイメージですね。よほど内容が多くない限り、A4サイズ4ページ(A3サイズの2つ折り)で構わないと思います。
見込み顧客との接点量を増やす
上記のツールがある程度整えられれば、営業活動に特段の支障はないでしょう。
あとはできるだけ多くの人と接点をもって、自社のサービスを知ってもらうことです。
ここで疎かにしてはいけないのが、PUSH営業です。自ら見込み顧客にアプローチしていくことですね。
テレアポや交流会への参加に加えて、展示会やDM発送後の後追いでテレアポするなど、量をこなしながら、アポ率を高めるための取り組みを進めていけるといいですね。
当社はWeb集客をはじめとしたインバウンドマーケティングを支援していますが、こと創業期においては、待ちの姿勢だけではダメです。
PUSH営業は努力と成果が比例します。一方で、問合せを待つスタイルは結果が出るまで時間がかかることもあります。ですので、特に創業期に関しては、しっかりとPUSH営業も行うこと。商工会議所などが主催している交流会などから参加していき、地道に営業活動の場を増やしていくのがよいと思います。
私の経験上、PUSH営業の得意な人は、マーケティング等のPULL営業にも積極的なのですが、PULL営業をしたいと考えている人は、PUSH営業をやりたがらないというのがほとんどです。心理的なハードルが少し高いかもしれませんが、絶対に損はしませんから、修行だと思って乗り越えましょう(笑)。営業経験を積むことで、受注までのスキルが高まりますから、インバウンドからの受注率も高めていくことになります。
PUSHとPULLの両輪が回っている状態を作れれば、なんらかの要因で一方が不調になっても、事業リスクを軽減できます。集客チャネルを複数持っておくことが安心材料にもなりますので、ぜひ、積極的に営業活動のために外にでていきましょう。