中小企業診断士コラム

「どの科目から手をつけるのがいい?」「科目ごとの目標点数は?」中小企業診断士の受験戦略について

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皆さんこんにちは。元・中小企業診断士の長谷です。

どうも。

中小企業診断士の勉強は科目ごとにガラッと内容が変わるので、頭を切り替えて進めていかなければなりません。

今回は、僕の受験経験から、おすすめの学習順と科目ごとの力の入れ具合をお伝えしていきたいと思います。

試験科目と合格基準についておさらい

中小企業診断士の試験科目は7科目。

「経済学・経済政策」
「財務・会計」
「企業経営理論」
「運営管理(オペレーション・マネジメント)」
「経営法務」
「経営情報システム」
「中小企業経営・中小企業政策」

となります。

全部完璧!というのが理想ですが、現実的には全ての教科で6割取れれば十分です。

1次試験の合格基準は2つ!
①全体得点が6割以上であること
②4割以下の得点の科目がないこと
の2つです。

とにかく足切りにかからないようにしましょう。苦手科目を作ってはいけません!

逆に足切りにさえ引っかからなければ、他の科目でカバーできます。7科目もありますからね。得点源にできる科目がでてくるはず。

1科目ごとか並行して進めるか

あまりこの悩みはないと思うんですけど……、大前提として。

学習は1科目ごとに集中して行なうのがおすすめです。中小企業診断士の試験は難しくはありませんが、範囲が広いです。

いきなり7科目を並行して勉強しても、混乱するだけなのでやめておきましょう。

ただし、後半は並行して進めた方がいいです。せっかく記憶した内容を忘れないようにするためには、何度もインプットする必要があるので、できるだけ短期間で復習を繰り返す必要があります。

①まずはテキストの内容を理解しよう。

おすすめの勉強の流れを解説していきますね。

まずは、テキストを読みましょう。普通に読んで「ふーん」って感じでokです。とりあえず読み切ることが大事。あんまり理解できなくても深く考えずに、全体像を捉えることが目的です。

②次にもう一回テキストを読みます。

ここ重要そうだなーってところに線を引いたりしながら、しっかり理解していきましょう。このタイミングでサブノートを作ってもいいでしょう。

③問題集を解きます。

問題に挑んでみましょう。この時点では間違いまくって構いません。間違えたところや、間違えてなくっても「なるほどな~」って思ったことは、線を引くなり、サブノートをつくるなりしていきましょう。

この時点で、その問題集に関しては間違えることがなくなるまで復習しましょう。

④次の科目に移りましょう。

ここまでがワンセットです。これを7科目分繰り返します。

ツラっっ……。

各科目を1ヶ月で攻略したとしても7ヶ月かかりますからねぇ……。

まあまあツラいですねぇ……。

⑤過去問、模試などあらゆる問題を解きまくろう

7科目コンプリートしたら、過去問や模試などで腕試ししつつ、忘れている知識を補完していきましょう。

この時点で4割取れない科目があるようなら、もう一度テキストを読み返してもいいですね。

とにかく過去問、模試などは間違えたところを完璧に潰すようにしましょうね。やりっ放しは何の意味もないので。復習が大事。

そうこうしてるうちに試験日がきます。

1科目1ヶ月というのは、目安としてもちょうどいいと思います。そういう意味でも学習期間は1年あるとベストですね!

ちなみに、1次試験に合格するまでは2次試験のことは考えなくてokです。対策は余裕で間に合います。

しいて言えば、日本語が苦手、国語が苦手だと自負できちゃうような方は、ちょっと長い目で対策を検討しておいた方がいいかもしれません。

逆に、国語が得意な人は、2次試験なんて超余裕です。

どの科目から手をつけるか問題

さて、本題ですが、どの科目から手を付けるかです。

どの科目に注力すべきかというのとほぼ同じだと思っていいでしょう。

ちなみに、市販のTACのテキスト『スピードテキスト』の順番はこんな感じ。

(1)企業経営理論
(2)財務・会計
(3)運営管理
(4)経済学・経済政策
(5)経営情報システム
(6)経営法務
(7)中小企業診断士・中小企業政策

流石です。この通りにやるのが一番です。

いちおう補足しますね。

初手、財務か企業経営理論か問題

しょっぱなに取り組むべき科目は、「企業経営理論」「財務・会計」この二択です。

二次試験に大いに関係する科目で、この2科目を苦手にしてると詰む可能性があるからです。あと、中小企業診断士を名乗る以上、この2科目が苦手ってのはちょっとびみょいですね。中小企業診断士らしい科目なので。

で、どっちらかやるのが良いかっていうと、挫折しないのは「企業経営理論」からです。間違いなく楽しくお勉強できます。「企業経営理論おもんね」ってなる人は中小企業診断士に向いてません。断言しますが向いてません。

「財務・会計」は専門性がやや高く、7科目の中で最も重い科目です。財務会計に関しては2ヶ月くらいみておいた方が無難かもしれません。ってレベル。

だからこそ一番始めにやるっていう説もあります。実際、私が大原で勉強した時も最初に財務をやりました。わからん過ぎて簿記3級の勉強から始めることにしましたけど……。

モチベを保ちつつ勉強できる個人的なおすすめは、
簿記3級→企業経営理論→財務・会計の順番です。

簿記3級と企業経営理論だけは並行して勉強してもいいと思います。それくらい「財務・会計」って挫折しやすいので、簿記3級の知識があれば、耐性はできるはず。

3手目は運営管理で間違いなし

運営管理は内容の幅が広いです。試験時間も運営管理は長いでしょ。
でも、内容は簡単です。企業経営理論を楽しめたのなら、さらに楽しめるまであると思います。こざかしい計算問題とかもないので、楽しみながら得点源にするべく、早めに取り組むのがおすすめ。

残り4教科はお好きな順に

「経済学・経済政策」
「経営情報システム」
「経営法務」
「中小企業診断士・中小企業政策」

残りは軽い科目なので好きな順番で選べばいいと思います。
ここは受験戦略を考えるべきで、得点源にできそうな科目がでてくると思います。出てこなかったら残念ですが……。

足切りを回避するのは当然として、得点源として稼げる科目を作れるとベストですね。

この4科目は、いままでの経歴の中でカバーできるものがあるケースも多いです。経済学部だった、法学部だった、システムエンジニアだとか。そういった明確な得意分野があれば、そこで90点くらい稼いでおくと他の科目が楽になりますよ。

「いや得意分野とかないし……」という方にはおすすめの順番をお伝えしておきますね。僕も全くのさら地状態からだったので参考にしてもらえるかと。

4科目目は、「経済学・経済政策」をおすすめします。
経済学は、ちょっと(だいぶ?)グラフとかが出てきます。計算問題も多いです。数学嫌いだった人には吐き気のする科目だと思います。

逆に、数学得意な方は理屈さえ理解してしまえば、そんなに覚えることが多くない科目だとも言えます。僕は高校で微分・積分やっててよかったなーって思いました。

5科目目は、「経営情報システム」にしましょう。ITのお勉強なので、ちょっと毛色が変わって、経済学のダメージを癒せます。

IT苦手な人は順番を入れ替えよう。

6科目目は、「経営法務」をやっつけます。そこまで難しくない暗記科目です。暗記科目というと語弊が生まれるかもしれませんが、決まった法律をふむふむと理解しながら覚えていくだけなので、あまり苦手もくそもない。

7科目目は「中小企業診断士・中小企業政策」にします。
これはタイミングにもよりますが、7科目目を推奨します。政策が多少なりとも毎年変わるからですね。早めに取り組むと今年解くべき問題がねぇ、ってことになります。

まあけど、3科目目に運用管理をやる以上、また同じような日本語読む系の科目は避けた方がいいですね。「経済学・経済政策」は理解が必要な科目なので、早めにやっといた方がいいです。それ以外は気分でok。

これがおすすめの中小企業診断士学習順ダァ!

(0)簿記3級
(1)企業経営理論
(2)財務・会計
(3)運営管理
(4)経済学・経済政策
(5)経営情報システム
(6)経営法務
(7)中小企業診断士・中小企業政策

ということで、TACの言うこと聞いてりゃ間違いねぇんだよ!という結論になりました。

財務・会計までたどり着ければ、あとは勢いでなんとかなります。「財務・会計」で力尽きないように頑張ろう!

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