中小企業診断士コラム

企業経営理論8日目【PLC・PPM】

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こんにちは。元・中小企業診断士の長谷です!

失効した中小企業診断士の資格を取り戻すべく(笑)!

診断士の勉強をしていくぞー!

スピードテキストの51~59ページの内容です。

PLC

プロダクトライフサイクル!略してPLC!

これも超有名なフレームワークですねー。

製品の市場投入から引退までの流れ、つまりライフサイクルを説明した理論です。

以下の4つのステージに分かれると考えましょう。

導入期

製品が市場に投入されたばかりの時期です。
売上は低いですし、顧客数もすくない。一方で生産コストも高いし、何かとお金がかかる。

利益的には赤字の状態です。

成長期

急激に売上が伸びる時期です。導入期を越えて、マスに受け入れられる時期です。

売上は上がるんですが、競合との争いも加熱する時期なので、投資合戦になったり、なんしか投資は続けないといけない時期。この時期に一応黒字化するということになっている。

成熟期

製品として市場に受け入れられ、一般化する時期。売上の成長は止まるが、高いまま維持する。定着するってことですね。

一方でこの時期にはもう宣伝広告費もかからないし、経験曲線効果がだいぶ効いてて生産効率も高まっているから、費用は少なくて済みます。ゆえに、利益を回収する時期だといえます。

衰退期

製品の役目を終えて引退していく時期。売上も利益も下がって行きます。事業縮小しながら最終的には提供終了を迎えます。

この時期は顧客の需要は低価格に向かいます。

開発期

一応、市場投入からサヨナラするまでは上記の通りなんですが、その前段階に開発期があります。
当然売上は立ちませんから、費用がでていくだけの時期です。

PPM

プロダクトポートフォリオマネジメント!略してPPM!

これも超有名なやつですね。

多角化経営していて、いくつか事業があるときに、それらの事業がいい感じかどうか、どの事業に投資していくべきか、みたいなことを考えるためのフレームワークです。

このフレームワークも2×2のマトリクスパターンで、この「2軸で分ける」ってのは、コンサルタントの常套手段ですね。だってそれっぽいからね!

で、PPMの2つの軸は、「市場成長率」と「相対的市場占有率」です。

市場規模ではなく、「市場成長率」であることに注意しましょう(ひっかけ問題がつくりやすそうですね)。先程のPLCでいうと、「成長期」が「市場成長率が高い」時期にあたります。それ以外の時期は「市場成長率が低い」時期です。

一応、こんな重箱の隅をつつくような観点を出してほしくないですが、市場占有率ではなく「相対的市場占有率」であることにも注意しておきましょう。相対的市場占有率は、「自社のシェア/自社を除いた時の一番の競合のシェア」になります。自社がトップなら二位との比較、自社がトップでなければ一位との比較ってことです。どっちでもええやんけーって思っちゃいますが、「あぁ、どっちでもええやんけって思ったやんけ」って覚えておくと忘れませんね。

こうやって思い出すフックを作っていくのが記憶のコツですよ!

さて、PPMも4つにわかれているぞ!

問題児

「手のかかる小僧だが……、こいつは将来ビッグになるぜぇ……」

問題児は「市場成長率が高く」×「相対的に市場占有率が低い」ポジションの事業(とか製品とか)です。

成長期だけど、まだまだ子供って感じ。お金もバイト代くらいしか稼いで来ませんが、やたらと教育費がかかります。でも、将来この子は大きく羽ばたくの。

利益よりも投資がかさむため、赤字の事業領域となります。

ただし、問題児の全てが花開くとは限りません。シビアに判断しましょう。

「育成」or「撤退」が経営的な意思決定のテーマ。

花形

「ここまで来て裏切れっかよ……、俺はずっとテメェに賭けてんだよ!!」

スター。アイドル。エース。トレンドの製品!

「市場成長率が高く」×「相対的に市場占有率が高い」ポジション。

若くて魅力的で人気もあるそんなスター。カネは稼いでくるんですが、投資もかさむのが辛いところ。でも、ここを耐えれば、お茶の間の顔になれるんだ!そんな気持ちで投資投資ぃ!ここまでくると、それまでに費やしたコストを回収したい気持ちで頭おかしくなってることが多いです(詳しくはサンクコスト効果でググろう)。ここでスキャンダル起こすと最悪。ジャニーズでいうとNEWSですね(笑)。

「維持」・「拡大」が経営的な意思決定のテーマ。

金のなる木

「ぐふふぷぅぅぅ……、いつもお世話になっておりますぅぅ……」

「市場成長率が低く」×「相対的市場占有率が高い」状態。つまり、投資しきった成熟期におけるシェアの大きい事業です。利益が大きく費用が小さい。やっと投資を回収できるっていう状態です。この事業はんには頭があがりまへんなぁ。

ただ、PLC的にはあとは衰退していくだけなので、追加投資はあまり行われません。いかに現状を維持するかが大事。

「維持」が経営的な意思決定のテーマ。

負け犬

「市場成長率が低く」×「相対的市場占有率が低い」事業。基本的には衰退期を指すが、導入期の競争に負けても負け犬になるよね。

市場成長率が低いということは、どういうことでしたっけ?

 

ここで察せると勘が鋭いですね!

 

市場成長率が低いということは、費用がかからないということでした。
つまり、負け犬は、利益も出んけど、費用もかからんという領域なんですね。

はっきり言ってどうでもいい事業ってことです。

問題児や花形は、資金流出が大きいので、早く経営判断を下すべき事業ですが、負け犬は検討の優先順位が低いんですね。かなしいですね。そんなとこも含めて負け犬って呼ばれちゃうんだ……。

「撤退」・「売却」・「縮小」がテーマ。

PPMの理想的な流れ

このとおり、PPMはそれぞれの領域を通って成長していくんです。

「問題児」からはじまり「花形」になり、最終的に「金のなる木」になるというのが、事業の目指す形。途中でミスったら負け犬に沈んじゃうってかんじ。

PPMの問題点

PPMは、一緒に問題点を指摘されることが多いです。有名すぎるからですかね?やっかみかな?

はーい、PPMの良くないところ言いまーす!!

・お金でしか物事を考えていませーん!経営資源はキャッシュフローだけじゃありませーん!

・事業間のシナジーや関係性を考慮していませーん!数字だけで判断しないでくださーい!

・これでなにか新しい事業展開のヒントになるんですかぁ?分析するだけ?えっ、まさか提案が無い(笑)?

・負け犬くんがかわいそうでーす。負け犬に負け犬って言うのはよくないと思いまーす。

まあそんなとこっすかね。

PLCもPPMも重要論点なので、いろんなとこで目にすることになると思います。ポイントさえおさえてたら大丈夫ですよ!

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