創業お役立ち記事

農耕型営業と狩猟型営業の違いとマーケティングステップの話

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モノを売るときの流れを「農耕型」「狩猟型」ということがあります。
農耕型営業とか、狩猟型営業とかいった表現ですね。

お客様のことを獲物や作物に例えざるを得ないので、ちょっと罪悪感を感じたりしますが、
マーケティングにおいて、この考え方はとても参考になるので、覚えておいて損はないと思います。

農耕型・狩猟型とはどういうことか

狩猟型営業とは

明確に定義されたものではないので、イメージで捉えていいと思いますが、
狩猟型営業は、まさに獲物を狩るように、顧客を仕留めにいく営業。

大量の営業リストから、購入者を見つけ出してすぐに成約まで持っていくイメージですね。
基本的に売り込んでいくタイプの営業手法で、成約までのスピードを重視するやり方です。
一件にかける時間も少ないですし、成約までかかる時間も少ない手法です。

大量のリストに対してテレアポを行うようなやり方が代表的なやり方ですね。
(必ずしもテレアポをしてるから狩猟型と言うわけではありません。あしからず。)

農耕型営業とは

狩猟型営業に対して、農耕型の営業は、見込み顧客との関係性を重視する手法です。
農作物を育てるように、顧客との関係性を育てていき、充分に育ったところで収穫するというやり方です。

名刺交換した人に対してすぐに営業電話をかけるのではなくて、ニュースレターを送ってみたり、セミナーの案内をしてみたり、という働きかけを行なっていきます。そして最終的に問合せや見積もり請求をしてくれるのを待つという流れですね。営業というよりマーケティングの領域といえるでしょう。

農耕型・狩猟型どっちかいいのか

農耕型の手法の方が、いいと言われがちですが、良い悪いではなく手法の違いなので、意識して使い分けることが大切です。また、個人の性格や経験によって、絶対にどちらかに偏ってしまうので、無意識に得意な方ばかりに寄せてしまっていないか、自問自答するクセをつけるといいと思います。

まず狩猟型のメリットは、早期に結果が出せることです。期限が決まっていたり、どうしても今月中に売上を作らなければならなかったり、という場合は、早期に結果の出せる方法を考える必要がありますよね。狩猟型の作戦のポイントは足で稼ぐということです。とにかく見込み客と話をする場をつくることが大切なので、テレアポ、展示会で名刺を配る、交流会に参加する、飛び込み営業、などが思いつくところでしょう。タイミングさえあってしまえば即決もあり得ます。
創業期にとって、成約までの期間が短いということは非常にありがたい話ですので、比重を高めておいた方がよいと思います。

一方、農耕型のメリットは、成約率が高いということです。見込み顧客との接点の中で、いろんなツールを使って、教育をしていきます。自社のサービスを受けるとどういったいいことがあるか、少しずつ納得していってもらうというプロセスを踏みます。なので、育てるまでの手間はかかりますが、いったん問合せを頂ければ、その後のクロージング率は高くなります。また、狩猟型と違って、狩場を荒らすことが少ないので、受注の可能性を最大化することができます。
具体的な手法としては、広告全般、メルマガ配信、セミナー、など。始めに労力がかかるものの、形が出来てくれば、安定した成約率の上で、規模を大きくすることが容易であることもメリットです。

農耕型のポイントは次のステップを明確にすること

農耕型の施策を行う際は、見込み顧客が次のステップは何なのか明確に分かるようにしてあげることが大切です。

「なんだか良さそう」とせっかく思ってくれても次に何をすればいいのか分からなければ、そこで終わり。次第に記憶から薄れていってしまいます。
ですので、「問合せはこちらから」とか、「セミナーにご参加ください」とか、そういった「出口」をコミュニケーションの最後に持ってくることです。これは広告に限らず、営業の場でも一緒ですね。営業の最後に「では、次回はこのパターンのご提案を持ってきます」とか、言ったことがあると思います。
全くの見込み無しを除いて、普通はふらっと帰らずに「次はこうしようよ」という提案をしますよね。マーケティングでも同じです。

そして、次のステップは、必ずしもクロージングではないですよね。
「いきなり見積書を出しても引かれそうだから、まずはどれだけ効果がありそうか試算を持っていこうかな」とか、「関係性を作るために、とりあえず近くにきたら寄っておこう」とか、そういった発想で、次のステップに何を持ってきたら、結果が最大化するかということを考えて、集客プロセスを構築するのが、農耕型のポイントです。

ぜひ上手く使い分けてみてください。

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