創業期に必要となるのがブレーンの存在です。
共同設立者として経営に参画してもらう必要はありません。実際に、多くの起業家が1人起業をしていますし、複数名での起業は運営面で難しいことも多いのが実際の所です。
あまり踏み込んできて欲しくないという気持ちもあるでしょう。
相談にはすごい価値がある
そこで、困った時やちょっと悩んだ時に、気軽に相談できる外部の人がいると事業がうまく運ぶことが多いです。
いわゆるメンターみたいな人でもいいですし、起業仲間やコンサルタント、各種専門家など、人に相談するというのは非常に価値の大きいことです。
人に相談することで考えが整理されるということもあります。
加えて、「自分が知ってることは相手は知らないし、自分が知らないことは相手が知ってる」のです。
仕事は個人の専門性を明確に強めてくれます。
自分と違う仕事をしている人に相談することで、「ああ、それならこうするといいよ」と簡単に回答をくれることもあるでしょう。
せっかく回答を持っている人がまわりにいても、あなたが何を課題としているかが伝わらない限り、アドバイスはしてもらえません。
だから、積極的に相談してみるのです。
相談というとかしこまった感じがするのであれば、悩みを聞いてもらおうとか、ちょっと喋りたいだけとか、そんなのでもいいと思います。
事業の悩みを伝えられる人を、ひとりでも多く作っておきましょう。
ひとりでは絶対に上手くいきません。
考える人と作業する人は分ける
創業期にありがちですが、なんでもかんでも自分でやってはいけません。
特に、アイデアを出したり意思決定したりするような「考える」ことと、
手を動かして「作業する」ことはできるだけ分けた方がいいです。
心当たりはあるんじゃないでしょうか?
「コレはやばい!」というようないいアイデアを思いついても、それを形にするのが面倒で気付いたら放置していた……みたいなパターン。
起業家が毎日同じ作業をやるというのも違和感があります。
誰にでもできることはさっさと任せてしまうのが得策です。自分より上手くできる人がいるのであればなおさらですね。採用でもいいですし、アウトソーシングでもいいでしょう。
ひとりでできる作業には限界があります。ひとりでそこまでカバーしていると、創業期の貴重な時間がどんどん過ぎていってしまいますよ。
反対に、作業が得意で考えることが苦手というパターンもありますね。
職人的な仕事をしている人に多く見られるパターンです。
こちらも同様に、作業に価値を発揮するタイプなので、考えることに時間を取られるのであれば、誰かを頼って、自分は作業に没入した方が幸せですよね。
利害関係なしに冷静に判断できるのが外部の人
基本的に、「考える人」と「作業する人」は対立関係にあります。
考える人からすると、四の五の言わずに手を動かせ!となりますし、作業する人からすると「何にもしないくせに偉い口叩きやがって!」となります。
どちらか一方の立場から見ると、必ずしも利害関係は一致しないということが根底にあるので仕方ないことです。
だからこそ、一人二役でこの2つの役割を担ってはいけないんです。
両方自分だと、絶対に甘えが生じます。その結果が、「今日は早く仕事が片付いたけど、計画通りだから休もう」とか「この作業は結構時間がかかるから計画を見直すか」とか。
そんな時に、冷静に判断してくれるのが外部の人間です。
本人じゃないからこそ無責任に何でも言えるので、感情に流されずに論理的に正しいことを言ってくれたりします。言われてみるとそのとおり!って腹落ちするやつですね。
自分のことは自分が一番良く知っていると思いきや、
意外と自分の良さってうまく表現できなかったりするものです。
抱え込まずに相談するテクニックも経営者の気質のひとつなのではないかと思います。